研修生募集について
農園サユールイトシロ 代表 稲倉哲郎
農園サユールイトシロでは2019年度も研修生を募集いたします。
当農園は岐阜県の北部にある郡上市のさらに北部、福井県の大野市との県境で九頭竜川の源流域にもあたる石徹白(いとしろ)という地区にあります。
標高700mあたりに位置し、県内屈指の豪雪地帯でもある当地は12月から4月までは雪に覆われ農作業は出来ません。4月の雪解けを待ってから12月上旬の根雪になるまでの間しか農業は出来ませんが、春から秋までの短い期間に採れる農作物は白山からの雪融け水、高冷地特有の寒暖差などの御蔭で非常においしいとの評価をいただいています。
当農園はこの石徹白で、こういった恵まれた条件をもっとも生かせる方法として、農薬はもちろんながら肥料や堆肥にも頼らないやり方=無肥料自然栽培で2005年4月より主に夏野菜中心に営農しています。
研修制度ですが、私自身もともと独学に近い形で始めた農業ですのでこれが正しいというものも、特別な技術を持っているわけではありません。持っているのは10年間の自然栽培での経験とその前2年間の慣行栽培の勉強期間での経験です。
基本的な栽培知識や作業方法などの習得はもちろんですが、しかしそれ以上に大きいのは、15年間の自然栽培で営農してきた”場”で学ぶということだと思います。
将来、自然栽培による営農を志す方々にこの圃場(自然栽培歴も15年目のところから転換1年目のところまで様々です)、そして自然環境の豊かな石徹白という土地で、私の得てきた経験を伝えながら自分の身で学んでいく”機会”と”場”の提供することがこの研修制度の主たるスタンスとなります。
当農園は10年目を機会に事業拡大を目指して、ともに農園の事業を発展させてくれる人も募集しています。研修から始めてそのまま当園に就農という道もあります。
<募集要項>
必須条件(必ず満たしてほしい条件です)
1 農業、とりわけ自然栽培を志し、将来は農業を生業にして生活することを目指している人。
(*将来石徹白に定住する意思のある方は特に歓迎いたします・・・但し無条件に受け入れるわけではありません)
2 普通免許と自動車を所有している人
(*一番ふさわしいのは軽トラック(さらに四輪駆動車)ですが、そこまでなくとも普段の仕事にもまた公共交通機関の乏しい石徹白での生活に車は必須です。最低でも農作業に乗りまわして汚れるのをいとわない人、もしくはそういった車が必要です)
3 社会人としての一般常識の通用する人
(*これの意味するところは言うまでもなく、農家も当然一人ではなく社会の仕組みの中で周りの人と一緒に仕事をする、商取引をするということから必要な常識。また農業は土地に根付いた仕事ですので、こちらであれば石徹白という地域の習わしなどを尊重して生活することが出来る人、という意味です)
4 あるていどの自己資金(*1)のある人。
(*後に出てきますが住居をこちらで用意します。家賃はこちらで一部負担しますが、それ以外の光熱費、食費、生活雑貨、各種保険代などは個人負担となります。もしアルバイトなどをお考えの方は事前に御相談下さい(*2)。
(既婚者/妻帯者もしくは御家族での移住も含めてお考えの方は、こちらもそれなりの対応を考えますので御相談下さい)
(*1 青年就農給付金の研修機関の認定を受けていますので、条件はありますが給付金の申請はできます。しかし基本的には自己資金は必要です。
岐阜県農畜産公社 青年就農給付金より http://www.gifu-notiku.com/syuno_kyufu.php)
(*2 農繁期(8月~10月)以外の、特に1月から3月までの農閑期はアルバイトなどは可能ですが、前述の新規就農支援(青年就農給付金など)を受ける方は冬場も研修期間に組み込まれるためにアルバイトに割ける時間なども研修時間との兼ね合いで制約があります)
追加条件(こういった人であればよりふさわしと思います)
1 性別に関する条件はありませんが、力仕事が基本ですので健康で相当の体力が必要となります。もちろん、そういった仕事が好きな人であることが必要です。研修とはいえ、農作業です。楽なことはありません。年齢に関しては明確な条件は設けませんが、45歳までをめやすと考えています。
2 地域のなかで生活できる人またはしたい人。
(*石徹白は小さな山村です。当農園もそんな小さな山村のなかにある人間関係のなかで支えられて生活しています。地域の行事などにも積極的に参加し、地域に融け込みながら里山の生活を学んで欲しいと思います)
3 あまり堅苦しく考えすぎない人。
(*世の中いろいろな人がいて、いろいろな考え方があります。目指す思いがあっても周囲とのバランスを大切に出来る人、長い目で物事に取り組める人のほうが長続きすると思います)
研修期間
期間は2年間まで。しかし研修期間は1年更新とします。
(*農作業のできる期間が4月から12月の間に限られますので、おもな研修期間もこの間のみとなります(青年就農給付金を受けるなどが条件の場合はその限りではありません)。それ以外の期間(1月から3月)はそれぞれ自由にしていただきます。近場のスキー場でアルバイトをしたり、別の場所で勉強してもらってもよいです。もちろん、当方で現在進めている冬場の収入アップのための加工業について手伝っていただくことも結構です。)
(*前述の新規就農支援(青年就農給付金など)を受ける方は冬場も研修機関に組み込まれるためにアルバイトに割く時間なども研修時間との兼ね合いで制約があります)
●1年目; 基本的作業を習熟しながら、1シーズンの流れを身につけていただきます。それまでの経験度により内容も若干変わりますが、基本的には園主について同じような作業をすることが主な内容です。指導も日々の作業の合間に行いうことが多いです。実際に起こっていることを目の前にして学ぶことが一番身につくと考えます。
●2年目; 圃場、または作物を選び、主な作業を担当してもらいながら1シーズン通して責任を持って作業をしていきます。
但し、2年目を実施するかは1年目終了時に双方相談の上決めたいと思います。
金銭面について
本研修制度には、学費に該当するようなお金をいただくことはありません。同時に、こちらから作業対価や給与の様なお金もお支払いしません(*1)。ですので、研修期間内に必要となる生活費などは研修生の方が個人で負担していただかなくてはいけません(*2)。
(*1 条件によりますが、青年就農給付金などの助成を受けることができます)
(*2 生活費のためのアルバイトなどは基本的に研修に差し支えない程度とします。細かな決まりは設けていませんが、農繁期、特に8月~10月の間は避けてもらいます。もし青年就農給付金などの助成を受ける場合はそれらの受給の条件との兼ね合いもありますので良く調べてください)
住居について
住居ははこちらで用意しますが、石徹白には空き物件はあまりないのが現状ですのでその都度ご紹介します。特に一戸建て住宅はほとんどありませんので、場合によっては(研修生が複数人になった場合など)は共同生活宿舎などの場合もあります。
(*遠方からの通いですと往復の時間に大事な時間が削られてしまいますし、費用(ガソリン代など)がかかり過ぎてしまいます。また、たとえ研修期間とはいえ、地域に溶け込んで生活していくことが必要です。地域の方々との日々のお付き合いを大切にするためにも、石徹白に暮らしながら研修してほしいと考えています。生活費などのためアルバイトなど他収入が必要な方は相談の上決めたいと思います)
募集期間
常時募集しています。*事情によって受け入れられないこともあります(特に空き家がないなど)。
採用方法
研修希望の方、あるいは関心のある方はまずはご連絡ください(連絡先は一番下の農園概要の中に記されています)。
履歴書をご持参のうえ、実際お話しさせてもらい面接をし、双方条件などを確認したうえで決めさせていただきます。1回だけの面接では決めれませんので、出来れば数回は石徹白に来ていただいたうえで、決めてもらえればと思います。
最後に
さまざまな局面で転換期を迎えていると思うことが増えています。新しいことに臨むことは決して楽なことではないし、リスクも高いです。自然栽培は転換期を経た、これからの時代に必要とされている、挑戦するに値する取り組みだと思います。
苦労の多い半面、非常にやりがいや喜びも大きい仕事です。
また、当地石徹白では子育て移住促進などの取り組みを行っています。当農園もこちらで研修ごそのまま石徹白への定住をを目指す子育て世代の方の移住促進を応援しています。ぜひご相談ください。
≪参考・・・石徹白関連サイト≫
石徹白区 公式ホームページ「石徹白(いとしろびと)」 http://itoshiro.net/
いとしろ子育て移住推進委員会 http://life.itoshiro.net/
石徹白小学校 http://www.gujo.ed.jp/~itoshiro/
=農園概要=
屋号 - 農園サユールイトシロ
代表者 - 稲倉哲郎 (生産者)
所在地(自宅) - 岐阜県郡上市白鳥町石徹白67-2-1
所在地(圃場) - 同上 石徹白地区周辺
連絡先(TEL & FAX) - 0575-86-3559
連絡先(携帯) - 090-5459-0429
連絡先(E mail) - sayur.inakura@gmail.com
作付面積 - 約150a (管理地面積は約180a)
主な栽培作物 - 主力は7月から11月までの夏秋野菜。
(ナス、ズッキーニ、ミニトマト、オクラ、ピーマンなど)
冬春には大豆、小豆など豆類。一味唐辛子の販売も致します。
また野菜BOXのような個人向け宅配も期間限定で行っていますので、多品種少量栽培の品目も多く扱っています。
主な経歴など
農園サユールイトシロは2005年の4月から始まりました。その前に2年前に石徹白に引っ越してきて妻の実家で専業農家でもある今のうちで農業の体験/勉強をさせてもらいました。その後2005年に自分の農園を始めた時から『無肥料自然栽培』による野菜の栽培に取り組み始めました。
現在まで使っている圃場の多くは元は夏秋ホウレンソウが栽培されていたビニールハウスの跡地です。それ以前は圃場整備のされた水田でした。夏秋ホウレンソウ栽培は一般慣行栽培方法でしたので当然化学肥料も化学合成農薬も使用されてきましたし、クロールピクリンによる土壌消毒も行われてきました。
当農園として耕作を開始してからは前述のとおりいかなる化学肥料も有機肥料、動物性、植物性問わず、きゅう堆肥の類も使用していませんし、化学合成農薬はもちろんですがいわゆる天然由来資材/農薬使用はしていません。ですが、それ以前の残留肥料/農薬の有無については保証できるものではありません。
当農園ではビニールマルチのような被覆資材、ビニールハウス(無加温)のような資材も使用しますし、トラクターによる耕起もします。除草剤などはもちろん使いませんが、草刈りや草取りなど、除草もします。いわゆる不耕起、無除草の自然農のようなやり方ではありません。これは、そういったやり方(=不耕起、無除草)を否定するものではなく、ただ当農園ではとりいれていないと理解してください。