サユールイトシロのあゆみ
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屋号 - 農園サユールイトシロ
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代表者 - 稲倉哲郎 (生産者)
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所在地(自宅) - 岐阜県郡上市白鳥町石徹白67-2-1
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所在地(圃場) - 同上 石徹白地区周辺
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連絡先(TEL & FAX) - 0575-86-3559
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連絡先(携帯) - 090-5459-0429
- 作付面積 - 約150a (管理地面積は約180a)
- 主な栽培作物 -
<7月から10月の夏野菜>
◎ズッキーニ、水ナス、ピーマン、オクラ、じゃがいも、万願寺唐辛子、キュウリ(半白、四葉)、そうめんかぼちゃなど
<10月から11月の秋冬野菜>
◎石徹白かぶら、水菜、チンゲン菜、大根、サツマイモなど
*詳しくは栽培作物一覧(*準備中です)をご覧ください。
- 販売 -
個人向けの野菜の宅配サービスなどの流通業者様向けの野菜を多く扱わせていただいております。
小売店やレストランなどとのお取引もさせていただいており、少量目多品種での納品も行っております
また野菜BOXのような個人向け宅配も期間限定で行っていますので、多品種少量栽培の品目も多く扱っています。冬春には大豆、小豆など豆類。一味唐辛子の販売も致します。
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主な経歴など
農園サユールイトシロは2005年の4月から始まりました。その前に2年前に石徹白に引っ越してきて専業農家でもある妻の実家で農業の体験/勉強をさせてもらいました。
2005年に自分の農園を始めた時から『無肥料無農薬自然栽培』による野菜の栽培に取り組み始めました。 現在まで使っている圃場の多くは元は夏秋ホウレンソウが栽培されていたビニールハウスの跡地です。それ以前は圃場整備のされた水田でした。夏秋ホウレンソウ栽培は一般慣行栽培方法でしたので当然化学肥料も化学合成農薬も使用されてきましたし、クロールピクリンによる土壌消毒も行われてきました。
当農園として耕作を開始してからは前述のとおりいかなる化学肥料も有機肥料、動物性、植物性問わず、きゅう堆肥の類も使用していませんし、化学合成農薬はもちろんですがいわゆる天然由来資材/農薬使用はしていません。ですが、それ以前の残留肥料/農薬の有無については保証できるものではありません。
当農園ではビニールマルチのような被覆資材、ビニールハウス(無加温)のような資材も使用しますし、トラクターによる耕起もします。除草剤などはもちろん使いませんが、草刈りや草取りなど、除草もします。いわゆる不耕起、無除草の自然農のようなやり方ではありません。これは、そういったやり方(=不耕起、無除草)を否定するものではなく、ただ当農園ではとりいれていないと理解してください。
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これまでの歩み
◎2005年 : 農業経験も全くないまま、『農業なら何か新しいことが出来そうだ』という思い込みのまま石徹白に引っ越してきて2年後、NA1,2,3およびOZ1の4枚の圃場(約5反)よりスタート。当初より無肥料無農薬での自然栽培を試みる。
最初の1年目ということもあり、完全な試行錯誤の中、現在までも栽培している多くの品目(オクラやトマトなど)がこの時点で揃うことになる。
◎2006年 : 前年の12月に降った大雪のため石徹白中のビニールハウスが潰れてしまう。当園も例にもれず全て倒壊。急きょ現在のOZ2の畑(約2反)を借り、そこをハウス用の圃場として増やす。栽培面積は約7反となる。最初の年はズッキーニ=4棟、ミニトマト3棟、大玉トマト=1棟という作付内容。前作が慣行栽培のホウレンソウだったこともあり残留肥料が多く、トマトもズッキーニも葉が茂りすぎる傾向がみられた。
4月 ブログ『サユールイトシロ・エキスプレス』を始める。
◎2007年 : 8月より、現在まで続くサユールイトシロで収獲された野菜のみで作られる野菜セット=『野菜BOX』のインターネット通販を始める。
◎2008年 : 4年目となり、規模を増やす方向に動き出す。この年はNA4およびKJ(後に返却)を新たに借りうける。面積は約1.5反。初年度はどちらも芳しくない成績に終わる。以降この2枚はなかなか好成績が出ないままでいる。しかし、農園全体の収獲量は安定的に増えてくるようになる。この時点で今後の経営にかなり自信を深めることになる(翌年以降その自信は見事に打ち砕かれることになったが)。
◎2009年 : 5年目。当初の計画では、5年目には目標としている生活ができる程度の収入達成を目指していた。しかし春先の育苗時期に管理ミスでナスを中心に苗をダメにしてしまう。結果収穫時期が大幅に遅れ、収量も減ったため大幅な減収となる。
WEBサイトで冬場の販売品目強化のため『乾物屋サユール』として、大豆、小豆などの豆類、オレンジチリの一味唐辛子やいとしろかぶら漬けが登場。
◎2010年 : 6年目。西在所のNAの圃場の隣の水田を借りる(現在のNA5,6,7)。面積は約2反。前年の落ち込み分をカバーしようとするも、この年は圃場でのネズミの食害が頻発する。特にNA1と2では定植したナスの苗がほとんど食べられる。この年も収入大幅減となる。
NA1にビニールハウスを一棟新設。
8月 WEBショップを移転。リニューアルし現在の『サユールイトシロWEBショップ』を開設する。
◎2011年 : 7年目。前年まで慣行栽培のトウモロコシを作付されていた5枚の圃場(現在のGE1,2,3,4,5)を借りうける。面積は約2反。この年もハウスに作付したミニトマト3棟分が全て収穫前に枯れてしまうという大問題が発生。それでも何とか3年目までの水準まで回復する。
千成ほおずきを本格的に作付/栽培する。
『野菜BOX』が従来の1サイズから3サイズになり、秋冬にも少量のセット=『ミニ野菜BOX』を出せるようになり、WEBショップの商品のバリエーションも少しずつ増えてくる。
◎2012年 : 8年目。相変わらず8月までの夏作はそれほど振るわなかったが、9月以降に収量が回復。特に水ナス、万願寺唐辛子が調子がよく評価も高くいただく(この時の評判が良かっただけに、この後数年の不調で期待に添えない事態となる)。結果的にこれまでで最高の販売額を達成。その前3年の不振からようやく脱却でき、気持ちの面でも落ち着く
前年の乾燥豆や唐辛子など加工品、乾燥品などの収穫量もあったためこのあたりも充実していた。
7月 サユールイトシロのFacebookページを開設
8月 NA1に物置小屋”チキンシャック”が完成。
研修生の募集を本格的に開始。反応はほとんどなし。
◎2013年 : 9年目。前年の勢いのまま、ついに念願の作業所と自宅の建設を決意。ほうぼうの金融機関を回るも世間の風は冷たいことを実感。それでも何とか資金のめどをつけ苦労の末着工する。
ところがこの年の成績が再び下降する。特に経営の柱であったズッキーニが例年の半分の収穫量で終わったことや水ナスの種取りの失敗やアタリヤピーマンの大量病気発生などが響く。早くも資金繰りに暗雲がたちこめる。
ズッキーニの露地栽培を開始。自家採取を念頭においたのでイタリア種の固定種を中心に試験栽培から始める。現在はその中からストリアートとロマネスコが残っている。
石徹白かぶらの作付を拡大。折からの種に関する関心の高まりの中で地域の中で自家採取をされながら生き続けている石徹白かぶらへの関心もあり、味の評価とともに広く受け入れられてきた。
◎2014年 : 10年目。冬の雪はこの数年の中でも特に少なく、2m超えることもほとんどなかった。しかし雪融けはいつもと同じか遅れ気味。そうした気象変化の難しさ目立ったシーズンであった。8月はほとんど雨が止むことがなく、主力のズッキーニを始めどの作物も収量減を余儀なくされる。
4月 ある日、突然呼び止められ畑を借りてくれと言われる。結果GE6が増える。8月には今度はこちらから声をかけて新たにGE7が増える。なりいきで翌シーズンからの予定でGE8が増える。じゃがいもと石徹白かぶらなどの作付増を画策。
8月 自宅が完成。いよいよローンの重みを感じながらの経営が始まる。
9月 サユールイトシロ研修生の第1期生となる森本が一家で石徹白に引っ越してくる。またこの月にはこれも初めての取り組みである、オリーブオイルのアサクラで著名の朝倉玲子さんをお招きしての「オリーブオイル講習会」を開く。
11月 9年間続いていたブログ『サユールイトシロ・エキスプレス』がOCNのブログサービスの終了とともに閉鎖。
研修生効果もあって9月までの落ち込みを10月、11月で多少持ち直す。また新たに青トマトを使った「サルサ・ヴェルデ」や石徹白かぶらを使った「石徹白かぶらのパスタソース」などを開発。今後の加工品事業の萌芽がでる。
12月あたまにいきなりの大雪でNA1のハウスを潰す。
◎2015年 : 4月をもって丸10年を迎える10周年イヤー。そして11年目を迎える。
2月 12月に潰れたハウスと圃場の物理性改善に向けたプラソイラー購入の資金をはじめてクラウドファンディングで募集開始する。無事資金調達に成功し、これをもって農園の規模拡大の取り掛かりとなる。
3月 自宅車庫に念願の事務所を友人の助けをかり自作。
4月 新たにホームページを開設。ブログ『サユールイトシロ・エキスプレス』も再開する。
4月にサユールイトシロ2人目の研修生、なおちゃんが参加。9月には2回目のオリーブオイル講習会を開く。
◎2016年 : 12年目。またまた成り行きで4反の畑を借りる話が持ち上がる。直前まで悩みに悩んだが、研修生の森本がいる最後の年であったので試すなら今年しかない!ということでこの4反で当園としては大規模な青大豆と鞍掛豆の栽培をする。管理はなかなか手が回らなかったが収量的にはまずまず。しかし、播種直後にはついに鹿が出るようになりかなり食害をうける。
◎2017年 : 13年目。3年ぶりに一人農業に戻る。規模を縮小するのが本当だと思いつつ結局そのままの圃場でこの年もスタートするもやはり全部は手が回らず。
春の雪解けの遅さ、6月の異常な低温、9月と10月に来た台風、9月~10月の長雨による日照不足とそこからくる地温不足。この年ほど異常気象に振り回されたこともない。
・・・まだまだ続く